【論文100本ノックの1】レーザレンジファインダを搭載した移動ロボットによる自己位置推定と地図生成
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
研究にせよ仕事にせよ、最初は与し易いものから取り組み、数をこなすことで広範な知識を得ることが肝要である。
100本計画の1本目として、和文2ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
中本 琢実、山下 淳、金子 透:(静岡大学):
"レーザレンジファインダを搭載した移動ロボットによる自己位置推定と地図生成"、
https://pdfs.semanticscholar.org/5558/0ef833109ea7174698534394ebc84d0359c1.pdf
3.2 研究概要
LRFを搭載した移動ロボットで、初期位置情報がない状態から地図背性と自己位置推定を行った
4 出現用語
・デッドレコニング[1]
GPS等の絶対的自己位置推定法に対する、相対的自己位置推定法。
そのうち、オドメトリシステムは、移動機構の動作量・動作方向から移動量・移動方向を推定する。
慣性航法システムは、搭載センサから移動量・移動方向を得る。
誤差が生じる要因は以下の4点
(1)オドメトリシステムの計算式が不完全
(2)センサデータの計算式が不完全
(3)センサ観測値のノイズ
(4)センサで検知できない外部要因の影響
・ICPアルゴリズム[2]
2つの点群P,Mが存在する時、Pのある点に最も近いMのある点をペアとする。
それぞれのペアが最も近い位置に移動するような移動パラメータを求める事ができる。
つまり、「2つの図形のうちの1つの図形を平行移動したり回転させて対応点間の距離が最小になればOKという」手法。
単純なレジストレーション(位置合わせ)の手法。
5 おわりに
点群処理は基本的には点をいかに扱うかという問題であるが、その一部を線などの集合情報として扱うというアプローチは、今後の研究にも応用できそうである。
また、用語調査で得られたデッドレコニングの問題点は、点群処理の有用な応用先であるロボットの自己位置推定に研究を応用する際の、従来の問題点に取り込めそうである。
6 今後調査したい事項
・論文中参考文献[3]の、ロボットマッピングに関するサーベイ論文
・ICPアルゴリズムの原典
7 参考文献
[1]MyEnigma「Dead Reckoning: デットレコニングの問題点 (ロボットの自己位置推定)」
[2]かみやんの技術者日記「ICP(Iterative Closest Point)のアルゴリズム」