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PCLで点群処理

PCLで点群処理したあれこれを書いていきます。

【論文100本ノックの67】高解像度レーザレーダによる歩行者識別

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の55本目として、和文8ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

高解像度レーザレーダによる歩行者識別

城殿清澄, 渡邉章弘, 内藤貴志, & 三浦純 (株)トヨタ中央研究所、豊橋技術科学大学

日本ロボット学会誌 29.10 (2011): 963-970. 2011

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj/29/10/29_10_963/_pdf

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 自動車の自律運転において、歩行者認識のニーズがある。

(提案手法)

 高解像度のレーザレーダで取得した三次元レンジデータ群から歩行者を識別する手法を提案する。

 従来手法に新たな2つの特徴量を追加することで識別性能の向上を図った。

3.3 従来の問題点と解決法

・Premebidaらは、Arrasらの手法を改良し、5種類の識別手法で35m以内の人物検出を実施したが、3次元レンジデータに拡張する場合、処理が複雑になり計算時間の増大が懸念される

・Spinelloらは、17の特徴量をAdaBoostによって推定したが、パーツごとに相当の点数が必要となるため、距離が離れるほど精度が低下する。

・Navarro-Sermentらは、対象領域を「上半身」「左下半身」「右下半身」に分割し、各領域の点群の二次元分布を特徴量としたが、遠方における識別性能の劣化が課題である。

→遠距離領域においても高い識別性能を実現するため、新たな特徴量としてスライス特徴と反射強度分布を提案

3.4 提案手法

(1)スライス特徴

 対象の足元から頭にかけて大まかな凸凹形状を歩行者の3次元的な輪郭特徴として利用する。

(2)反射強度分布

 レーザレーダの反射強度が材質で異なることを利用し、対象が歩行社会中を判断する。 

3.5 検証実験

 従来手法の2次元ヒストグラム特徴量と、提案手法の特徴量を比較

(1)特徴量別評価

 従来手法による歩行者の形状表現は識別性能が低いが、提案手法は小さい次元数で高い性能を実現できた。

(2)距離別評価

 30m以内でも提案手法のほうが優れているが、30m以遠ではその差が顕著になった。

(3)走行環境における評価

 比較的高い検出率が達成された。

3.6 今後の検討

・走行速度と認識性能の関係性

クラスタリング処理の改良

・Sliding Windowの考え方を3次元点群に適用した探索方法

・反射強度分布を手がかりとしたクラスタリング手法の開発

・解像度面で優れる画像センサとレーザレーダの統合システム開発

・オクルージョンに対してロバスト性の高い特徴量や識別手法の開発

・歩行者以外の交通弱者の識別

4 出現用語

 

5 おわりに

 世界のトヨタが自動運転に関して点群処理技術を研究し、そのせいかを報告した内容である。

 今後の課題が、他の研究では見かけないほど大量にあるが、これらを克服する研究があれば採用してくれるということだろうか。

 5年ほど前の論文のため、幾つかの課題は克服されているだろうが、まだ克服されていない分野は、研究価値が高そうである。

6 今後調査したい事項

  「今後の課題」領域の最新研究