【論文100本ノックの71】つくばチャレンジにおける屋外ナビゲーションシステムの問題分析と基本設計
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の71本目として、和文9ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
つくばチャレンジにおける屋外ナビゲーションシステムの問題分析と基本設計
友納正裕, 吉田智章, 入江清, & 小柳栄次 千葉工業大学
日本ロボット学会誌 30.3 (2012): 262-270. 2013
http://ci.nii.ac.jp/naid/130002152234/
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
なし。
(提案手法)
つくばチャレンジにおける屋外ナビゲーションシステムの開発/設計について、筆者らのシステムを例に考え方や知見を述べる。
3.3 従来の問題点と解決法
・
3.4 提案手法(1)(3Dセンサによる)自己位置推定
基本的にジャイロオドメトリにより自己位置推定を行う。
また、3次元点群データを地面に射影して2次元化した占有格子地図も作成し、マップマッチングやパーティクルフィルタを用いて誤差修正を行う。
(2)カメラによる自己位置推定
魚眼カメラで格子屋を確保しつつ、HDR画像により照明問題も軽減。
Cannyオペレータで画像エッジを検出し、エッジを残して不要なテクスチャを排除することで、地面のタイルから地図を作成できるようにした。
(3)障害物回避
静止物は自己運動による回避、移動体は自己静止による回避促進で対応。
3.5 検証実験
(1)(3Dセンサによる)自己位置推定
ジャイロオドメトリの精度は極めて高く、位置の誤差は1[km]あたり4~12[m]であった。
また、マップマッチングやパーティクルフィルタも有効に機能した。
(2)カメラによる自己位置推定
想定したとおりの機能を発揮したが、有効に機能した範囲が限定であったのも想定どおりであった。
(3)障害物回避
いくつかの意図しない状況下においても有効に働いた。
3.6 今後の検討
・オンライン環境認識の比重を増やす
4 出現用語
5 おわりに
点群処理の研究をしていると、応用先の1つとしてロボットビジョンが挙がる。
しかし、ロボットの運用には、単にソフトウェア的知識だけでなく、ハードウェア的な知識も必要であり、求められる知識技能が多すぎるため、一介のソフト屋には手を出しにくい分野である。
本論文は、ロボット屋がロボットビジョンシステムをどのように選定し、またその結果がどのようであったかを記した、非常に参考になる文献である。
ロボットビジョンへの応用を考える場合、本論文の知見を改めて参考にしたい。
細部について気になった点として、カメラによる自己推定において、SIFT特徴量は激しい照明変化に弱いためうまく機能しないと述べられていた。
SIFTは、照明変化にロバストであると言われているが、白飛びするほどの強烈な変化では、役に立たないらしい。
このように、「理論的」説明と異なる情報が得られるのも、実践主義のロボット屋ならではの知見である。
6 今後調査したい事項
その他つくばチャレンジレポート