【論文100本ノックの80】足部点群データからの基準の解剖学的特徴点の抽出
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の80本目として、和文2ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
足部点群データからの基準の解剖学的特徴点の抽出
高橋瑛逸, 矢原弘樹, 水野一徳, 三谷純, 西原清一, & 福井幸男 筑波大学
情報処理学会第 68 回全国大会, 7, 2. 2006
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
個人の身体に適合した靴を提供するため、個人の身体形状データを点群データから正確に取得するシステムの需要がある。
(提案手法)
3時減速部モデルの座標定義用基準点を身体表面形状の点群データから抽出する
3.3 従来の問題点と解決法
なし。
3.4 提案手法(1)前提条件
ア XY平面は既知
イ 踵点の位置も既知
ウ MT(脛側中足点=第一指中足骨頭のY方向最内点に最も近い形状点),MF(腓側中足点=第五指中足骨の最外点に最も近い形状点)の位置推定を行う
(2)処理の手順
ア 形状点群データ入力
イ 回帰式の算出
サンプルモデルを重回帰分析し、指先端点のX座標からMT/MFのX座標を推定する重回帰式を算出する
ウ 指先端点の抽出
イの形状情報をもとに抽出
エ MT/MFのX座標値を推定
ウを説明変数とし、イの回帰式によりMT/MFのX座標値を推定
オ MT/MFのY座標値を推定
エのx座標を持つ足底点群の輪郭線の内、最小のy座標を持つものが該当
カ MT/MFのZ座標値を推定
算出済みx,y座標を持つ最大のz座標が該当
キ 解剖学的特徴点の出力
3.5 検証実験
提案手法を40名分実施した。
推定誤差は4mm±1mm程度と大きかった。
考えうる原因と対策は以下のとおり。
・説明変数の不足→説明変数を増やす
・撮像時指姿勢
・特徴的な足→例外的モデルの排除
・スキャナ誤差
3.6 今後の検討
・誤差要因への対応
4 出現用語
5 おわりに
#08の、メガネをつくるためにセリオンを抽出するという話に似ていると思ったら、同じ大学の研究成果であった。
個人の身体的特徴を数量的に把握できるようになれば、衣料品等の生産分野だけでなく、監視等セキュリティ分野でも活躍しそうである。
6 今後調査したい事項