PCLで点群処理

PCLで点群処理したあれこれを書いていきます。

【論文100本ノックの81】3D レーザースキャナから得られた点群データのクラスタリングによる坑道壁面の亀裂抽出法

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の81本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

3D レーザースキャナから得られた点群データのクラスタリングによる坑道壁面の亀裂抽出法

松川瞬, 板倉賢一, and 鈴木幸司 室蘭工業大学

第 77 回全国大会講演論文集 2015.1 (2015): 449-450. 2015

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=164414&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 高レベル放射性廃棄物の地層処分事業の地下施設総延長は200kmにもなるため、現状の地質専門家による坑道壁面の地質観察から省力化が求められている。

(提案手法)

 3Dレーザースキャナを用いた坑道壁面の割れ目形状検出法を提案

3.3 従来の問題点と解決法

 なし。

3.4 提案手法

(1)取得点群の平行移動・単位変換

 設計上の採掘断面に投影し、平面上に展開。単位をmm似直す

(2)空間分割・面フィッティング

 DiAnaアルゴリズムにより、点群が存在する空間をサイコロ状に分割し、最小二乗法で面フィッティングする

(3)クラスタリング

 面フィッティングにより得られた法線と各点座標を用い、クラスタ重心の重心を用いたクラスタリングを行う

(4)割れ目面データ・可視化データ出力

 法線を利用し、壁面と割れ目候補を分別する。

3.5 検証実験

 日本原子力研究開発機構瑞浪超深地層研究所・深度300mアクセス坑道に本手法を適用した。

 ズレ・検出漏れはあったが、概ね実際の損傷箇所と重複した。

 しかし、ノイズが多い、割れ目の連続性がうまく得られない、数的評価がなされていないなどの問題点が多数ある。

3.6 今後の検討

・問題点への対応

4 出現用語

 

5 おわりに

 メンテナンス社会において、亀裂検出は重要な特徴である。

 平面を探索する特徴量として、法線は非常にわかりやすい特徴量である。

 しかし、亀裂を探索する特徴量として、法線はあまり良い特徴量とは思えない。

 なぜなら、「大量の点群の法線が同一方向を向く」というのは、偶然ではあまり考えられないことであり、平面と認めるに値する状況であるが、「平面と異なる方向の法線が少数存在する」というのは、亀裂以外にもノイズであったり付着物であったりと他の可能性も考えられるからだ。

 とかく点群の特徴量といえば法線ばかり取り沙汰されるが、他の特徴量はないものか。

6 今後調査したい事項

  法線以外の特徴量