【論文100本ノックの94】頭蓋骨の形状を考慮した顔の肥痩シミュレーション
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の94本目として、和文2ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
頭蓋骨の形状を考慮した顔の肥痩シミュレーション
藤崎匡裕, 桑原大樹, 溝川あい, 中村太郎, 前島謙宣, & 森島繁生 早稲田大学
情報処理学会第 76 回全国大会 6 (2014): 3. 2014
3.2 研究内容
(社会的・技術的ニーズ)
美容、映像制作の分野において、人の顔の肥痩シミュレーションが必要とされている
(提案手法)
MRI画像データベースを用いることで、顔の内部の頭蓋骨形状を考慮し、入力人物に適した変形を行うことで、よりリアルな肥痩変形を実現した
3.3 従来の問題点と解決法
・顔の肥痩変形の研究において、顔の内部構造まで考慮したものはない
・全ての人物に対して一様な変形を行っているため、肥痩変形の個人性を表現できていない
→MRI画像データベースを用いて、正面顔画像一枚から入力人物の頭蓋骨形状を推定し、入力人物ごとに適した肥痩変形を行う
3.4 提案手法(1)事前処理
顔画像及び頭蓋骨形状のデータベースを構築し、各人物の頭蓋骨形状に対応する肥痩ルールを抽出する手順を記述する
ア データベースの構築
正面顔画像および頭部MRI画像を撮影し、それぞれ特徴点の位置を求める
イ データベース上の人物肥痩ルール抽出
正面顔画像と頭部MRI画像から、脂肪量の違いを求め、肥痩変形のルールを決定する
(2)肥痩シミュレーション
ア 入力人物の頭蓋骨形状推定
データベースに最も近い頭蓋骨を、推定頭蓋骨として採用
イ 肥痩ルールの適用
推定頭蓋骨に応じた肥痩ルールにより肥痩変形を行う。
ただし、痩せ変形において、頭蓋骨を超える非現実的な変形には制約をかける。
3.5 検証実験
提案手法を実装した。
従来手法のように頭蓋骨形状を超えた非現実的な変形を止めることができた。
3.6 今後の検討
・肥痩変形時の顔パーツ変形の表現
・3Dモデルへの適用による陰影の表現
4 出現用語
5 おわりに
点群というワードはあるが、2次元画像の特徴点群のことであり、3次元点群の県級ではなかった。
しかし、従来手法に明らかな誤りがある場合、それに制約をかけて解消するという点には、学ぶべきところがあった。
6 今後調査したい事項