【論文100本ノックの98】道路情報プラットフォームにおけるユーザインタフェースの開発
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の98本目として、和文2ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
道路情報プラットフォームにおけるユーザインタフェースの開発
石川真成, 坂本大介, 阿部昭博, 市川尚, & 窪田諭.
第 76 回全国大会講演論文集 2014.1 (2014): 719-721. 2014
3.2 研究内容
(社会的・技術的ニーズ)
道路の補修や苦情対応を行う維持管理業務を効率的に行うプラットフォームのニーズがある。
(提案手法)
台帳管理や閲覧、調査・点検情報などの登録を一元的に行えるシステムを開発し、岩手県県南広域振興局土木部遠野土木センターで運用する
3.3 従来の問題点と解決法
・先行システムは写真の登録や台帳付図に直接書き込む機能がなく、現場業務で発見した事象を入力できない
→
・大雨による土砂崩れが多いため、砂防台帳管理機能が欲しい
→
3.4 提案手法開発方針は以下のとおり
(1)維持管理業務において台帳付図への手書き入力、写真の登録、台帳付図の閲覧を一元的に行うことができる情報システムを開発
(2)3G回線不通箇所があるため、オフライン利用を可能とする
(3)3次元点群座標データを用いて斜面管理を行う。
3次元点群データで表される斜面画像上に点群情報等を登録可能とする。
3次元点群座標データは、モービルマッピングシステムを利用した建物・道路の形状・標識等の3次元位置情報を天軍で取得したものである
3.5 検証実験
システム運用の結果、以下の知見を得た。
(1)隣接する台帳付図について髪をめくるように閲覧するという要求を満たすため、台帳付図ごとに付番して登録
(2)台帳のデータはPDF形式だったため、PNGに変換する必要があったが、今後はさらに閲覧に耐えうる画像ファイルに変換する作業が必要となる
3.6 今後の検討
・登録路線を増やす
・他の土木センターでの長期運用により実務での業務効率化と運用について詳細に検討
・地図上へのコメント機能
・各種台帳及び付図の登録方法の改善
4 出現用語
5 おわりに
#92の前年の研究発表である。
#92では、インターフェースの話がメインであったため、点群データが斜面管理にどのように使われているかが見えなかったが、本研究では少し詳しく書かれていた。
点群を用いたデータ解析等はよく見かけるが、点群を直接閲覧データとして人間が利用する例は少ないと思うので、貴重な知見として続報を読みたい。
6 今後調査したい事項
本稿の続報(点群データの利用部分)