【論文100本ノックの52】地上 LiDAR による樹幹太さの推定に関する研究
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の52本目として、和文5ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
地上 LiDAR による樹幹太さの推定に関する研究
遠藤貴宏, 中村裕幸, 澤田義人, & 沢田治雄 東京大学
生産研究, 64(4), 585-589. 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seisankenkyu/64/4/64_585/_article/-char/ja/
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
林野庁が調査した森林経営の問題として、省力技術の低コスト導入がある。
(提案手法)
地上LiDARを用いて森林の状態を調査するとともに単木ごとに質を管理し、需要に応じた材を安定的に供給することにより単木の搬出までにかかる原木のコストを削減する
3.3 従来の問題点と解決法
・従来は十分な密度で取得した点群から、円状の部分を単木と判別していたが、森林の状態調査の低コスト化には、計測回数を少なくする必要がある。その場合、単木の幹にあたるレーザ光線数が減少し、点群が円状にならず円弧状になる。
→円弧状の点群から樹幹太さを推定するため、必要な要素技術を開発する。
また、コスト削減につながる計測法や、可視化についても検討する。
3.4 提案手法1.計測されたデータの少数点以下の値に対して丸め処理を行い,点群数の縮小を行うとともにセンサ由来の誤差を低減
2.ラスター型のDigitalElevationModel(DEM)の作成
3.DEMが存在するピクセル毎に円形を利用した探索により点群を抽出
4.単木の胸高直径を計測する際に利用される地上から1.3mを基準高さとして,1.3m以上の位置に存在する点群を1mごとの高さで分割およびグループ化
5.1m高さごとに含まれる点群の内,分割面から鉛直方向の10cm以内に含まれる点群をクラスタリング
6.クラスタリングされたオブジェクト毎に真円による近似を行い,樹幹太さを推定
7.5.の処理をピクセル毎に必要回数分実行
3.5 検証実験
埼玉県の定期間伐されているスギ林に対し、提案手法を適用した。
結果、地上10m以下の樹幹に対して概ね成功した。
また、樹幹のみの点群を取得する知見を得た。
本手法で低コスト計測を行うには、一度出来る限り広範囲のDEMを計測できるような場所にLiDARを設置することである。
3.6 今後の検討
・地上調査と照合し、位置精度も検証する
4 出現用語
5 おわりに
林業に必要な情報がどんなものか、素人にはなかなかわからない。
ただ、本論文からは、樹幹太さや曲がりが重要な情報であるとわかった。
必要な情報がわかれば、それに向けた研究ができる。
今後は、林業で必要となる情報を収集したい。
6 今後調査したい事項
林業に必要な情報
【論文100本ノックの51】地上型レーザスキャナによる森林情報のデジタルドキュメント化
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の51本目として、和文2ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
地上型レーザスキャナによる森林情報のデジタルドキュメント化
中村裕幸 (株)woodinfo
精密工学会学術講演会講演論文集 2013 年度精密工学会秋季大会 (pp. 643-644). 公益社団法人 精密工学会. 2013
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pscjspe/2013A/0/2013A_643/_article/-char/ja/
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
森林計画立案に必要な森林資源情報を整備するため、地上型3次元レーザスキャナによる森林資源調査のニーズがある。
(提案)
自社製品による調査方法の概要と精度を報告する
3.3 概要
・レーザ照射密度は距離とともに減衰するため、50m程度が適切
・レーザスキャナは多数の製品があるが、点群データはアスキーフォーマットで共通のものがある。
・点群データフォーマットは、位置情報(X,Y,Z)および色情報(R,G,B)、反射強度の7次元ベクトルで表現される
・点群処理のフローは以下のとおり。
1 3次元レーザスキャナによる森林内計測
2 計測ポイントの合成(レジストレーション)
3 点群のアスキー変換
4 数値標高モデル(DEM)の生成
5 立木の探索と個別ファイル化
6 幹断面各高さ(10cm間隔)の円近似
7 代表高さ(胸高)直径と立木座標の計算
8 樹幹各高さの中心座標と幹外周による幹曲がり計算
9 各高さ間の円錐台の積分による幹材積の計算
・計測精度は、長年間伐されていない森林に対しても有効であった
4 出現用語
なし。
5 おわりに
実世界での森林点群取得におけるスキャナ設定が理解できた。
森林点群に関する実験をするなら、この設定でスキャンすれば良さそうだ。
6 今後調査したい事項
なし。
【論文100本ノックの50】航空レーザ測量の概説と最新動向
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の50本目として、和文4ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
航空レーザ測量の概説と最新動向
横尾泰広 国際航業(株)
フォレストコンサル, (137), 3029-3037. 2014
http://www.forest-pro.jp/2014-09-26-forest-connsul-yokoo.pdf
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
航空レーザ測量の作業標準化に伴い、今後、森林分野の利用が期待される。
(提案)
航空レーザ測量の技術を解説するとともに、最新の動向を紹介する。
4 出現用語
なし。
5 おわりに
航空レーザ測量の概要が理解できた。
これまでずっと読んでいたのはKinectやXtionのような、地上から水平方向にスキャニングすることを前提としていたが、航空レーザ測量では空中から垂直方向にスキャニングするため、様々な条件が異なる。
しばらくは、航空レーザ測量に関する情報を仕入れたい。
6 今後調査したい事項
航空レーザ測量やその応用分野に関する論文
【論文100本ノックの49】スギ人工林におけるLiDARを用いた樹木抽出の最適観測密度に関する考察
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の49本目として、和文3ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
スギ人工林におけるLiDARを用いた樹木抽出の最適観測密度に関する考察
縄村達矢, 遠藤貴宏, & 安岡善文
生産研究, 59(3), 329-331. 2007
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seisankenkyu/59/3/59_3_329/_article/-char/ja/
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
森林の効率的かつ正確な計測/評価のため、LiDARで森林の点群データを取得したいというニーズがある。
(提案手法)
航空LiDARで森林の点群データを取得する際の最適な密度
4 出現用語
なし。
5 おわりに
点群データは、ともするとデータ量が非常に膨大になる。
そのため、最適な点群取得密度等の取得条件を設定することが良い対策となる。
今回は製紙会社の保有林ということで、しっかり間伐された林であると考えられる。
しかし、日本の林は手入れがされていないものが多数あり、これを管理するために運用することを考えると、今回の結果は使用できないかもしれない。
さらに、管理されたデータをグラントゥルースとして使用する本手法は、管理されていない森林では、手法そのものが使用できなさそうである。
6 今後調査したい事項
適切な点群取得条件
【論文100本ノックの48】深度カメラを用いた実時間姿勢追跡に基づく動的な空間型 AR の実現
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の48本目として、和文9ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
深度カメラを用いた実時間姿勢追跡に基づく動的な空間型 AR の実現
小林大祐, 小泉諒, and 橋本直己
電子情報通信学会論文誌 D 99.3 (2016): 264-272. 2016
http://search.ieice.org/bin/summary.php?id=j99-d_3_264
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
アートやエンターテイメント分野では、プロジェクションマッピングが注目されている。
(提案手法)
手軽な深度カメラを利用し、実時間姿勢追跡を可能にするSARシステムを提案する
4 出現用語
なし。
5 おわりに
パーティクルフィルタの概要について、具体例を示しつつわかりやすく説明してある。
詳細な話は個別に確認しなければならないが、パーティクルフィルタを使用することになった際には、改めて本論文を読みたい。
6 今後調査したい事項
なし。
【論文100本ノックの47】3D レーザ・デジタル画像を用いた軍艦島計測と損傷図作成-3D 点群のレンダリング・ひび割れ描画支援システム
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の47本目として、和文8ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
3D レーザ・デジタル画像を用いた軍艦島計測と損傷図作成-3D 点群のレンダリング・ひび割れ描画支援システム
西村正三, 原健司, 木本啓介, & 松田浩
写真測量とリモートセンシング, 51(1), 46-53. 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsprs/51/1/51_46/_article
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
近代化産業遺産は老朽化が進み、調査には危険が伴うため、3Dレーザスキャナやデジタル画像などを用いた計測/解析技術による支援が有用である
(提案手法)
軍艦島を例に、3Dレーザスキャナとデジタル画像を用いたAsBuildデータ取得と破損/損傷図作成のための手法について提案/検証した
4 出現用語
なし。
5 おわりに
国立大改革「地域・特色・世界」の3つの枠組みで強みを生かせるかのとおり、現在文科省は国立大学を3つのジャンルに分類している。
長崎大学等いわゆる「駅弁大学」は、概ね「地域」であり、つまりは学術知識技能を地方に役立てる取り組みを熱心に行っている。
軍艦島の計測などはまさにそのド直球である。
これが学からの提案なのか民からの要請なのかはわからないが、民からの要請の度合いが強いプロジェクトほど、実際的で役立つ応用技術例と考えられる。
点群処理技術の応用例を挙げる場合、こういった研究成果が役立ちそうである。
6 今後調査したい事項
「地域」分野の大学で実施されている点群処理の応用研究
【論文100本ノックの46】3 次元表面位置合わせによる Time-Varying Mesh の動き解析
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の46本目として、和文4ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
3 次元表面位置合わせによる Time-Varying Mesh の動き解析
山崎俊彦, & 相澤清晴
情報科学技術レターズ, 6, 241-244. 2007
http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=en&type=pdf&id=ART0009459369
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
なし。
(提案手法)
フレーム間の非類似度をICPによる位置合わせの誤差の総和に寄って表現した、TVMの動きを3次元空間上で解析する手法を提案した
4 出現用語
なし。
5 おわりに
ICPを動きの非類似度に用いるというアイディアが秀逸であると感じた。
点群技術には様々な技術があるが、それらを改めて意味的に理解することで、新たな応用の道がひらけそうである。
6 今後調査したい事項
点群技術の意味的解釈