【論文100本ノックの89】臓器統計モデルの医用画像への位置合わせの GPU を用いた高速化
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の89本目として、和文2ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
臓器統計モデルの医用画像への位置合わせの GPU を用いた高速化
堤貴浩, and 本谷秀堅 名古屋工業大学
第 74 回全国大会講演論文集 2012.1 (2012): 271-272. 2012
3.2 研究内容
(社会的ニーズ)
発電プラント建設では多くの配管が必要なので、配管の個体識別の自動化というニーズがある。
(提案手法)
臓器統計モデルの医用画像への位置合わせのGPUを用いた高速化を提案する
3.3 従来の問題点と解決法
なし。
3.4 提案手法計算量が膨大である医用画像の位置合わせに、GPUを使用する。
3.5 検証実験
CPUのみ、GPUのみ、重み計算のみGPU、重み計算にShared Memoryを使用、の4とおりの処理を実践した。
分布ごとにシリアルにする必要があるサンプリングでは、CPUの方が高速に計算することができた。
重み計算では、メモリへのアクセスや計算量が多いため、並列処理できるGPUの方が高速であった。
Shared Memory活用により、Global Memoryへのアクセスが減少し、高速に処理できた。
3.6 今後の検討
なし。
4 出現用語
5 おわりに
以前参加した学会のパネルディスカッションで、「海外の論文採択等では、新規性が非常に重要視され、実装に関する論文は微に入り細を穿つ修正要求があり、最終的に採択されないことがある。もっと実装論文を採択すべきだ。」という主張があった。
実装論文は確かに意義があるが、それは研究というよりは開発に近い。
実装論文は他人の論文で使用されたプログラムのリバースエンジニアリングと改良の過程に近く、悪く言えば頭を使わなくても研究のネタになる。
医学の分野では、イヌでやった実験をネコでやっただけ、というような研究(いわゆる「イヌネコ研究」)が多く認められているらしいが、それをきくと、「医者の博士って楽に取れそう」と思う。
本論文は、もちろんGPU使用がどのくらい役に立つかを知る上で非常に有用な一例であり、有意義なものであるが、やはり研究者のアイデアや思想といったものを感じられるものではなかった。
6 今後調査したい事項