PCLで点群処理

PCLで点群処理したあれこれを書いていきます。

【論文100本ノックの90】点群データの擬似サーフェースレンダリング

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の90本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

点群データの擬似サーフェースレンダリング

川田弘明, and 金井崇 慶應義塾大学

第 65 回全国大会講演論文集 2003.1 (2003): 201-202. 2003

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=169278&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

3.2 研究内容

(社会的・技術的ニーズ)

 点群のみのデータをレンダリングする際、点と点の間をどう埋めるかが問題となっている。

(提案手法)

 点群データを2次元に投影した状態から面を生成し、レンダリングを行う手法を提案する

3.3 従来の問題点と解決法

 なし

3.4 提案手法

 レンダリング手法の手順

(1)

 レンダリング画像よりも小さいバッファに、投影変換による2次元座標を格納する。この際、小数点以下も保存する(=サブピクセル化する)ことで、後の拡大作業での画質劣化を防ぐ。

 また、対応する三次元座標と、視点から一番近い点、色情報も、それぞれ格納する。

(2)

 3次元座標から法線を生成し、バッファに記録する。

(3)

 S倍に拡大させ、法線を利用したライティング計算を面が構成できる点ごとに計算し表示する。

(4)

 隣接ピクセルに2つ以上点があれば面を生成する

 

3.5 検証実験

 提案手法を、スタンフォードバニーに適用した。

 一部エッジがギザギザになったり、背後に物体のある部分のエッジがぼやけてしまった。

3.6 今後の検討

・不具合の改善

4 出現用語

  

5 おわりに

 私が点群データにメッシュを貼る際には、通常ソフトを使う。

 しかし、Blenderではまともに貼れず、MeshLabでは一応貼れるが規則的な分割ではないなどの問題が生じる。

 これらを解決するようなメッシュ生成ソフトがほしい。

6 今後調査したい事項

 

【論文100本ノックの89】臓器統計モデルの医用画像への位置合わせの GPU を用いた高速化

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の89本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

臓器統計モデルの医用画像への位置合わせの GPU を用いた高速化

堤貴浩, and 本谷秀堅 名古屋工業大学

第 74 回全国大会講演論文集 2012.1 (2012): 271-272. 2012

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=8&item_id=109484&item_no=1

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 発電プラント建設では多くの配管が必要なので、配管の個体識別の自動化というニーズがある。

(提案手法)

 臓器統計モデルの医用画像への位置合わせのGPUを用いた高速化を提案する

3.3 従来の問題点と解決法

なし。

3.4 提案手法

 計算量が膨大である医用画像の位置合わせに、GPUを使用する。

3.5 検証実験

 CPUのみ、GPUのみ、重み計算のみGPU、重み計算にShared Memoryを使用、の4とおりの処理を実践した。

 分布ごとにシリアルにする必要があるサンプリングでは、CPUの方が高速に計算することができた。

 重み計算では、メモリへのアクセスや計算量が多いため、並列処理できるGPUの方が高速であった。

 Shared Memory活用により、Global Memoryへのアクセスが減少し、高速に処理できた。

3.6 今後の検討

 なし。

4 出現用語

  

5 おわりに

 以前参加した学会のパネルディスカッションで、「海外の論文採択等では、新規性が非常に重要視され、実装に関する論文は微に入り細を穿つ修正要求があり、最終的に採択されないことがある。もっと実装論文を採択すべきだ。」という主張があった。

 実装論文は確かに意義があるが、それは研究というよりは開発に近い。

 実装論文は他人の論文で使用されたプログラムのリバースエンジニアリングと改良の過程に近く、悪く言えば頭を使わなくても研究のネタになる。

 医学の分野では、イヌでやった実験をネコでやっただけ、というような研究(いわゆる「イヌネコ研究」)が多く認められているらしいが、それをきくと、「医者の博士って楽に取れそう」と思う。

 本論文は、もちろんGPU使用がどのくらい役に立つかを知る上で非常に有用な一例であり、有意義なものであるが、やはり研究者のアイデアや思想といったものを感じられるものではなかった。

6 今後調査したい事項

 

【論文100本ノックの88】複数ステレオ画像を用いた配管資材の形状計測

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の88本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

複数ステレオ画像を用いた配管資材の形状計測

島倉諭, & 関洋 日立製作所、日立研究所

第 74 回全国大会講演論文集 2012.1 (2012): 21-22. 2012

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=109720&item_no=1&page_id=13&block_id=8

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 発電プラント建設では多くの配管が必要なので、配管の個体識別の自動化というニーズがある。

(提案手法)

 ポリゴンによる幾何モデルから生成された3次元テクスチャを、ポイントベースレンダリングによってデータ量を削減してレンダリングを行った。

3.3 従来の問題点と解決法

・単一画像による物体認識では自動化に限界があり、認識率も低い

→複数画像からの3次元形状情報復元

3.4 提案手法

 

(1)SfMによる3次元復元

(2)配管要素の抽出(配管以外の除去)

(3)配管設計3D-CADデータとの照合

 ア 主成分分析による配管の中心線ベクトル算出

 イ 配管断面形状の検出と中心点の算出

 ウ 配管の中心線、及び、形状特徴量の算出

 エ 配管の形状特徴量と配管設計3D-CADデータの照合

3.5 検証実験

 実際の配管に対し、提案手法を適用した。

 概ねの形状を示すデータは取れたものの、類似する配管が存在するため、一意に特定できなかった。

3.6 今後の検討

・配管形状以外の建設情報を統合評価する仕組みを考慮に入れた個体認識

4 出現用語

  

5 おわりに

 SfMによる点群取得は、ロボットの走行など、ある程度粗くても良いものには適当だが、配管のような細かい情報を扱うには不適当ではないかと考える。

 Kinect等でやったら、もう少し違うのだろうか?

6 今後調査したい事項

 

【論文100本ノックの87】異方性 3 次元テクスチャのポイントベースレンダリング

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の87本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

異方性 3 次元テクスチャのポイントベースレンダリング

伊藤智也, 藤本忠博, 村岡一信, 千葉則茂 八戸工業大学岩手大学東北工業大学

情報処理学会第 68 回全国大会 3 (2007): 3. 2007

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=172589&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1&page_id=13&block_id=8

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 なし。

(提案手法)

 ポリゴンによる幾何モデルから生成された3次元テクスチャを、ポイントベースレンダリングによってデータ量を削減してレンダリングを行った。

3.3 従来の問題点と解決法

・細かい表現構造を持つCGは、データ量・計算時間・画像品質の点で問題がある

→3次元構造を持つテクスチャを用いる。

・異方性3次元テクスチャ法は、レイトレーシング型のボリュームレンダリングを適用しているため、与えられた幾何情報によっては、データ量・計算量も膨大になる。

→ポイントベースレンダリング法を用いる

3.4 提案手法

 異方性テクスチャの表現では、ボクセル単位で球体を作成し、その表面上の点に異方性に必要な情報を記憶させる

(1)繊細な形状をポリゴンで作成する

(2)作成したポリゴンをボクセルの範囲でクリッピングし、サブポリゴンと呼ぶクリッピングされたポリゴンをそのボクセルに登録する。

(3)各ボクセルに密度球、陰影球を用意する。

 ア 密度球、陰影球の表面上をランダムにサンプリングした点を生成し、それら各点pをクリアする

 イ ボクセルに含まれるサブポリゴンの全てにおいて、次の作業を行う。

 (ア)ボクセルの投影面積を1とした相対面積で、各サブポリゴンの面積を正規化する。

 (イ)サブポリゴンの単位法線ベクトルをN、相対面積をS、密度球の表面上における点pの単位法線ベクトルをNpとすると、密度球状のすべての点pについて、Spを加える。

 (ウ)サブポリゴンのNと同じ法線を持つ陰影球状の点pに、そのサブポリゴンの相対面積と表面反射係数、phongの係数を加える

(4)ボクセルごとに、サブポリゴンの法線、面積、表面反射率などから、密度球、陰影級の表面上にそれらの情報を登録する。

 

(5)ポイントデータの作成

 仮想球体に登録された密度球上の点の中から、サブポリゴンの断片の面積に比例した面積の点を数個抽出し、法線を与える。

(6)ポイントデータのレンダリング

 スプラフティングによりレンダリングする

3.5 検証実験

 提案手法により樹木をレンダリングした。

 幾何モデルによるレンダリングではエイリアシングが発生した。

 レイトレーシングによるボリュームレンダリングでは、エイリアシングが少なかった。

3.6 今後の検討

・視点に依存した点群データの効率的な生成法

・スプラフティング以外のポイントレンダリング手法の適用

4 出現用語

  

5 おわりに

 提案手法を紹介しながら、実験結果では一般的手法と既存手法の評価しかせず、提案手法の評価を一切しないという、珍しい論文であった。

 点群処理ばかりしていると、点群そのものが(2次元画像に比べて)重いデータ形式と思いがちだが、CGと比較するとまだ軽いデータらしい。

 このような気付きが得られるのも、他者の視点があったればこそである。

6 今後調査したい事項

 

【論文100本ノックの86】動領域・静止領域の確率的マッピングを用いた動的環境の認識-自律移動ロボットにおける自己位置推定への応用

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の86本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

動領域・静止領域の確率的マッピングを用いた動的環境の認識-自律移動ロボットにおける自己位置推定への応用

伊藤明久, 高橋桂太, & 金子正秀. 電気通信大学

第 74 回全国大会講演論文集 2012.1 (2012): 43-44. 2012

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=109730&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 なし。

(提案手法)

 距離情報から観測領域を同領域・静止領域として確率的にマッピングし、コのマップを利用して自己位置推定に有効なサンプル点群を選出することで、動的環境下においても頑健に自己位置を推定できる手法について述べる。

3.3 従来の問題点と解決法

・地図生成に占有グリッドマップを利用し、各グリッド点で時系列方向の物点の観測履歴を確立として保持する手法は、動いたり止まったりしている動物体の取扱いに問題がある

→その物点がどのような属性を持つ物体に属するかを確率的に記述するステップを導入する

3.4 提案手法

(1)動領域・静止領域の確率的マッピング

 ア 各フレームにおける距離情報からローカルマップを作成する

 ロボット周囲の距離情報を取得し、x-z平面にプロットする。

 x-z平面をグリッドに分割し、プロット市を中心とする2次元ガウス分布モデルにより、各グリッドにおける障害物の存在確率を求める

 同時に、その物点が属する物体が動く確率を求める

 イ ローカルマップを時系列で統合することで同領域・静止領域として確率的にマッピングし、グローバルマップを更新する

(2)周囲環境の変化の検出

 グローバルマップとローカルマップを比較することにより、ロボット周囲の環境の変化として動物体及び物体の除去を検出する。

 動物体追跡にはSIR\MCMCパーティクルフィルタを用いる

(3)自己位置推定

 地図生成及び周囲環境の認識の結果を用いて動的環境に対応した自己位置推定を行う。

3.5 検証実験

 提案手法を屋内で実践した。

 ドアの開閉を検知してドア外にでたり、対抗歩行者に影響されることなく自己位置推定を行ったりし、最終的に出発地点に帰還したことから、概ね成功と言える。

 ただし、自己位置推定の誤差で、隣り合う2室が繋がって誤認識されている例もあった。

3.6 今後の検討

・動物体の追跡をもとに、ロボットが周囲の物体に対して衝突を回避できるようにする

4 出現用語

  

5 おわりに

 ロボットにとって、動物体と静止物体がそれぞれどの用途に重要かがよく整理されていて分かりやすかった。

 地図生成においては、動物体の影響を逐次反映する必要がある。

 自己位置推定においては、静止物体を基準とし、動物体を排除する必要がある。

6 今後調査したい事項

 

【論文100本ノックの85】意匠設計を考慮した不規則点群からの 3 次元モデル再構成

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の85本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

意匠設計を考慮した不規則点群からの 3 次元モデル再構成

大久保隆, & 渡辺大東京工科大学

第 66 回全国大会講演論文集, 2004(1), 161-162. 2004

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=170323&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 なし。

(提案手法)

 測定された不規則点群データから後の変形・操作が容易な、意匠設計を考慮した三次元モデルの再構成手法を提案する

3.3 従来の問題点と解決法

・従来のレーザーレンジスキャナによるデザイニングは、点軍艦に適切内装が設定されず、また超点数が多い為細かいメッシュにより再構成され、デザイナが想定した曲面がうまく再現されない

→意匠設計を考慮した再構成を行う

3.4 提案手法

(1)意匠設計の考慮

 デザイナの求める曲面を、対話的処理によりきれいな曲面を意識して半自動的に生成する

(2)不規則点群からの三角メッシュ再構成

 芹田によるボリューミング手法によりポリゴンモデルを再構成することで、鋭角な部位にも正確に参画メッシュモデルを構築する

(3)特徴稜線抽出

 以下の3つの評価関数を書く稜線で計算し、得られた評価値の合計がしきい値を超えたものを特徴稜線とする。

・頂点連続性

・近似ガウス曲率

・隣接面角度

(4)特徴稜線反映曲面フィッティング

 抽出した特徴稜線に自由曲面をフィッティングしていく。

 GarlandらのQEM手法によりポリゴン数及びメッシュの削減を行い、きれいなメッシュを再構成する。

 この際、特徴稜線およびそれに接続する稜線を消去対象から除くことd,絵形状の特徴を保つことができる。

 また、三角メッシュの四角形化において、デザイナが主要部分を手動でメッシュ結合を行ったあと、残りを自動処理する。

3.5 検証実験

 なし。

(※文中には「本手法を適用したアプリケーションにより有用性を確認した」旨記述されているが、具体的な話は一切なく、また実験画像等もない。)

3.6 今後の検討

・よりデザイナの移行を考慮した再構成手法の検討

4 出現用語

 

5 おわりに

 実験をしたという記述はあるが具体的な話はなく、また画像も1枚もない。

 全国大会にありがちな、学生発表の駆け込み企画に見切り発車で応募したは良いがデータが揃わなかったパターンか。

 アイデアだけ参考にしたい。

6 今後調査したい事項

 

【論文100本ノックの84】汎用イメージスキャナを用いた高精度三次元形状測定に関する研究

1 目 的

 点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。

 

2 はじめに

 100本計画の84本目として、和文2ページの本論文を読む。

 

3 対象論文と要約

3.1 対象論文

汎用イメージスキャナを用いた高精度三次元形状測定に関する研究

周藤一浩, 齋藤豪, 張英夏, & 中嶋正之 東京工業大学

情報処理学会第 69 回全国大会 6 (2007): 7. 2007

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=173294&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1&page_id=13&block_id=8

3.2 研究内容

(社会的ニーズ)

 なし。

(提案手法)

 汎用イメージスキャナを用いた手軽かつ安価な高精度三次元最高性手法を提案する

3.3 従来の問題点と解決法

・従来手法では高価な3次元スキャナを用いているため、一般の人が手軽に利用できない

→汎用イメージスキャナを用いる

3.4 提案手法

(1)汎用イメージスキャナによる画像取得

 スキャナ面と対象物体の間に、一定間隔でCCDセンサに平行な縞パターンが複数印刷されたトラペアシートを挟んでスキャンし、生じた影幅を計測し、物体表面の深さを求める。

(2)影幅推定

 縞印刷トラペアと無印刷トラペア両方でスキャンし、陰影の差分を取得することで、安定的に影幅を推定できる。

(3)影幅情報からの形状表面の凹凸推定

 ア 適当な閾値を決め、あるx座標に対して仮の影境界のy座標を決定する

 イ 影領域と日陰領域の値をバイキュービック法によって4*4近傍の周辺ピクセルを用いて補間する

 ウ 補間値が閾値と一致する座標を求め、小数部分をy座標に追加する

(4)画像の統合

 (1)~(3)を複数回4方向から行い、精度を上げる。

 得られた点群座標を事前に作成した空間分割領域に当てはめ、領域内の中央値を取ることでノイズを除去する

(3)スキャナ特性によって生じる影を除去するテクスチャ合成手法

 影および鏡面成分を除去したテクスチャを生成した。

 ア 45度ずつ8方向から対象物体をテクスチャとして撮影し、回転・平行移動により座標を基準へと合わせる

 イ L値の大きすぎる点は鏡面成分、小さすぎる点は影成分と判断し、L値が設定した閾値以下(以上)の点を除去する

 ウ 同一座標のピクセル内を明度(Luv空間におけるL値)によってソートする

 エ 得られた同一座標の各メイド地において、L値の中央値をテクスチャとして取得する。

3.5 検証実験

(1)3次元復元

 旧1円硬貨に、従来手法と提案手法を適用した結果、従来手法では横縞が問題であったが、提案手法ではきれいに復元された。

(2)テクスチャ取得

 従来手法では鏡面及び影成分が残っているが、提案手法では除去された。

3.6 今後の検討

・反射パラメータの推定

4 出現用語

 ・CCDセンサ

http://www.coherent.co.jp/lmc/images/capdf/needs02.pdf

5 おわりに

 これまでの文献からも分かる通り、KinectやXtionが普及する前は3次元スキャナは高価であり、一般の利用が見込めない状況であったようだ。

 そんな中、(文書を読み込むような)普通のスキャナから3次元復元を考えていた人々がいたというのは、そのアイデアに敬服する思いである。

 こういう、限られたリソースからアイデアで問題を克服するというのが、研究の醍醐味の1つであるように思う。

6 今後調査したい事項