【論文100本ノックの93】複数参照座標系の点群データからの半自動統合地図生成システム
1 目 的
点群に関する研究論文を読み、点群処理に関する知識を得るとともに、新たな研究のための気づきを得る。
2 はじめに
100本計画の93本目として、和文2ページの本論文を読む。
3 対象論文と要約
3.1 対象論文
複数参照座標系の点群データからの半自動統合地図生成システム
秋山英久, 竹内栄二朗, 田所諭, 下羅弘樹, & 野田五十樹 産業技術総合研究所、東北大学
第 73 回全国大会講演論文集 2011.1 (2011): 339-340. 2011
3.2 研究内容
(社会的・技術的ニーズ)
震災やテロなどの災害時の情報収集をより安全に遂行するため、遠隔操縦型探査ロボットによる環境情報の収集が期待されている
(提案手法)
複数台の移動ロボットが収集する3次元点群データから統合地図を半自動で生成するために、地理情報データベースとグラフ修正法を利用したフレームワークを提案する。
3.3 従来の問題点と解決法
・移動ロボットによる環境地図生成タスクの研究では、測域センサデバイスによって観測された点群データを用いてロボットの周囲の形状を計測するアプローチが多いが、複数台のセンサ情報の統合や、既存地図データの利用への対応は不十分である
→地理情報データベースを用いた情報集約、人間のオペレータによる介入を許容する参照座標系変換の仕組みを提案する
3.4 提案手法地理情報データベースへの情報集約を行った上で、観測された点群データを用いることで複数台ロボットの位置市政情報を修正し、統合地図上へマッピングする
位置姿勢情報を修正する手法として、グラフ修正法を用いる
(1)地理情報データベースへの情報集約
地理情報データベースDaRuMaによって、チリ表現、時刻表現を構造化し、データベース上で柔軟に扱えるだけでなく、参照座標系変換情報のフィードバックも可能となる
(2)グラフ修正法
観測されたロボットの位置姿勢をグラフノードとし、2ノード間の相対位置関係とその誤差分散を拘束条件と定義する。
誤差分さんが大きいほど、ロボットの位置市政情報の信頼性は低い。
グラフ修正法は以下の3ステップで実行される。
ア ノードの生成
x,y,z,roll,pitch,yawの6自由度情報をノードとして生成する
イ 拘束条件の生成
以下の3つの拘束条件を使用する。
・オドメトリによる拘束条件
・3次元形状マッチングに基づく拘束条件
・人間の観察に基づく教示情報による拘束条件
ウ ノード位置の最適化
与えられた高速条件に対してノード位置の同時確率を最大化するようなノード位置の変位量を求める
3.5 検証実験
提案手法を実装し、統合地図を生成した。
人手により数個の拘束条件を与えるだけで、位置測定誤差を大幅に減少できることが確認できた。
3.6 今後の検討
なし。
4 出現用語
5 おわりに
研究の貢献対象として、日本では「軍事分野への貢献はご法度」と言われている。
しかし、本研究のように、近年では「テロ対策」も1つの貢献分野として認められつつあるような気がする。
テロへの対応が警察なのか軍隊なのかはよくわからないが、組織だった武力に対応するための能力であれば、軍事分野にはならないのだろうか。
6 今後調査したい事項